卒業生近況

1986年卒第38回生 鈴木 能晴さん[城北メンネルコール(グリークラブOB会)幹事長]

城北学園グリークラブ 第58回定期演奏会開催

東京に開花宣言があった翌日の2024年3月30日(土)、城北学園グリークラブの定期演奏会が開催されました。今年で実に58回目の開催となります。

昨年、40年間にわたり指揮を取られた山口祐二先生が退職され、今回は新指導体制での初の演奏会となりました。

顧問は英語科の小松原邦信先生、音楽科の冨澤裕貴先生(講師・ピアノ)と渡辺まりえ先生(講師[新任]・声楽)の3名。この先生方による構成・演出により、実に多彩なプログラムとなりました。

現役生の合唱だけではなく、冨澤先生の奥様で歌手の梶沼美和子さんのメゾ・ソプラノ独唱、渡辺先生のソプラノ独唱、小松原先生も合唱に加わるなど、これまでとは一味変わったステージ構成。男声合唱団にもかかわらず、混声四部合唱があったり、山口先生が作詞作曲した「桜」では、観客席にいた先生が舞台上に呼ばれる演出で自ら指揮をされたり、団歌「野ばら」では観客席のOBも参加。アンコールでは瀧廉太郎作曲の「花」を、現役生・OB・顧問・歌手の全員で歌い、終演まで観客席を飽きさせないステージ構成でした。

今回は58回目にして初めて城北講堂での開催となったこともあり、型にはまることなく自由に、それでいてしっかりと音楽を聴かせる、作り手側の工夫と強い意思を感じさせる演奏会でした。

指導者の交代もさることながら、そのような状況にならざるを得ない大きな理由に、部員の減少があります。今回の定演に登壇した現役生は、変声期前後の中学生2名と、既に大人の声となった高校生3名全5名。この編成でイメージできるのは、ジャクソンファイブかフィンガー5か。とまあ、合唱ではなかなか見られない光景です。しかもそのほとんどがクラブを兼部している状況。

ただ、彼らは自分たちの置かれた立場を悲観的に捉えず、聴衆を楽しませるべく、音楽そして話術で会場を盛り上げていました。

ともすると古い人間は自分たちの時代と照らし合わせ、けしからんと思いがちになりますが、彼らは自分たちの今の状況をポジティブに考えることができる、そんな力強さをちゃんと持っていました。

そして定期演奏会という伝統、それは引き継いだ方々にとっては相当な重圧がかかっていたことは想像に難くありません。現役生及び顧問の先生方は、手作り演奏会という新しい形で、立派にその任を担っていました。

素晴らしい演奏会でした。

今後も城北学園グリークラブが発展することを願って止みません。

 

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