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報告

2018年11月29日(木)

城北OB現役パイロット

現役パイロットOB座談会(#04)

司会)岡崎

今日はパイロットのOB座談会なので、城北の現役高校生たちに声をかけてもらえますか。                                                      

藤原

私が現役性にいちばん近い年齢ですが、機長や先輩の話を聞いていると、航空会社の採用基準のハードルは年々下がっています。それは就職活動をしてみて実感しました。在校生たちはなりたい夢がいろいろあると思います。目が良くないという人もいるでしょうが、是非前向きに考えてパイロットという職業をその一つに加えてほしいです。                                           

木村尚史

パイロットは生き生きしている人が多く、仕事で充実感を得られている人はプライベートでも充実している人が多いように思えます。それから訓練中に言われた言葉で印象的だったのは、「F1ドライバーでさえ、100億円、200億円もするような高額な乗り物を自分の手で操縦できない」と言われました。それだけやりがいのある仕事なんだと実感しながら仕事をしています。

木村元彦

在校生の人には、とにかくチャレンジしてほしい、という事。学力だ、身体検査だと考えてしまいがちですが、チャレンジしてみないことには自分の適性は分からない。私もそんなに勉強ができる方ではなかった。一浪しているし、大学もそこそこの学校でしたが、そんな私でさえやってこられているのだから、チャレンジする価値はあると思うのです。木村さんがF1ドライバーの話をされましたが、「彼らは2次元で仕事をしているが、われわれパイロットは3次元で仕事をしているから、操縦は彼らよりパイロットの方がうまいんだよ」と教官から言われたことがありました。

村松(弟)

この仕事は、コネも学歴も派閥も関係なく実力次第で上に上がれるので、チャレンジしたいという人に是非来てほしいです。                   

登山

パイロットになるのも大変ですが、なった後も訓練や審査で大変です。しかしワンフライトで仕事が完結するすばらしさ、空からの景色も申し分ないですね。悪天候の中でもクルー全員で安全快適に運航するため、技を極めることの充実感もあります。こうしたやりがいがや素晴らしさがあることを動機として是非チャレンジしてほしい。                                        

黒野

JALで採用担当をやっていて思ったのは、一般企業だとしゃべり方が上手な方がポイントになるでしょうが、パイロットという職業は口下手な人でもちゃんとなれる職種です。素直さと探究心を持ち合わせている人は向いています。それからこの仕事は家にいないことの方が多いので、適度な距離感をおくことで奥さんとは円満な夫婦関係が築けると思いますが、これは高校生にいう話ではなかったかな(笑)。

村松(兄)

私がパイロットになる訓練を受けているとき、男子校で過ごせたことがとても役立ったと思います。さっぱりした男の世界と適度な上下関係を持ちながら横の仲間とは協力してやっていけるのが男子校と似ています。この職業は実力のみで取引だとか駆け引きはないのです。高校生に言いたいのは、スポーツでも勉強でも今目の前にあるやるべきことを一生懸命やってほしいという事ですね。                            

岡田

自分がそうだったように、夢を諦めないでほしいという事でしょうね。諦めたらそこで夢や目指していることが終わってしまいますから。それと高校時代の友人は一生の付きあいになります。私の身の回りの親しい友人は城北で一緒だった友が多いですよ。私は航空大学校を2度落ち、一浪して北海道大学に進みましたが、2度とも航空大学校受験を身体検査で落ちていたこともあって、この時パイロットになるという夢を諦めていました。北大での学生生活に日々甘んじていたのでしょうね。

こんな出来事がありました。大学1年の年末、城北の陸上部の同級生で航空大学校に現役合格して進学した友人が、帯広から宮崎へ移動する途中、札幌に居た私のところにわざわざ寄ってくれたのです。会うなり彼は「周りには2浪して航空大学校に入ってくる人もいるのに、なんでお前は受けなかったんだ!」と言われてとてもショックでした。試験を受けて、挑戦して駄目だったならば諦めもつきますが、自分は挑戦もせずにパイロットの夢を諦めたことにとても悔いが残ったのです。当時は航空大学校に行かなければエアラインのパイロットにはなれない時代でしたから。

その後状況が変わってJALもANAも自社養成パイロット採用試験を開始したので、受験できる限りは挑戦しよう、もしかしたら、という気持ちで受けましたが、やはり身体検査で落ちてしまいました。20代後半になって、もうチャンスは無いと思っていた頃にたまたま航空機関士(フライトエンジニア)の採用試験が有りました。周囲からはまだパイロットなんて夢みたいなことを目指しているの?という冷ややかな反応があったのですが、操縦桿を握らないとはいえコックピットクルーの一員になれる可能性が有るならば、ダメ元でも当然挑戦するしかない、と受験した所、幸いにも合格することが出来たのです。自衛隊のパイロット採用試験を含めて実に8度目の挑戦でした。夢を諦めないことって本当に大事なんだなとつくづく思いました。

薬師

電車で一番前に乗れるのが運転手ですし、飛行機で一番前に乗れるのがパイロットです。そこから眺める景色の素晴らしさは何物にも代えがたい。今16,17,18歳の人が就職して退職するまで40年以上あることを思えば、飛行機もその次か次のモデルに乗れる可能性は十分にあります。パリまで2時間で行ってしまえる飛行機に私は乗ってみたいな。もしかしたら宇宙にも行けるのではないかと思います。2016年7月にISSに行った宇宙飛行士の大西卓哉さんは全日空の副操縦士でした。次の世代はパイロットから宇宙飛行士になれるかも知れないので、城北生は是非トライして欲しいですね。   

司会)岡崎

有難うございました。近い将来外国から4000万人の観光客が来日し、日本からも3000万人が出国する時代になると航空需要もますます高まる一方です。パイロットは特殊な職種ではなくなって、より開かれた職業になるでしょう。城北からもパイロットが大勢排出されて、世界の空を駆け巡る日が来ることを期待します。                                                   

薬師

どういうような道を進んだ方がいいですよ、くらいはアドバイスできます。東海大学の自校養成がいくらで、法政大学の養成がいくらでという不安があるなら、最初から自社養成を目指すのはいかがとか。自社養成がだめだったら航空大学に行けば良いとか。防衛大学は給料をもらってパイロットになる道があります。その年と経済状況で選択肢が変わるものです。目が悪いとなれないと言われたのは昔の話。パイロットの需要と供給のバランスによって緩和されます。今はコンタクトレンズも眼鏡もOKですよ。白内障手術をした人もなれる。レーシックはまだですがこれから認められるかも知れません。                                                    

村松(弟)

パイロットは理系でなくてはなれないという事もなくなりました。ここにいる人も文系・理系と約半々ですよ。

村松(兄)

文系・理系関係なくコミュニケーション能力でしょうね。あまりヲタクすぎて自分の世界に入ってしまうと、機長と副操縦士の2人しかいないので、協力して安全運航を遂行できなくなりますから。                                     

藤原

私の航空大学の時はセンター試験に出てくる数学と物理の問題が、一般教養の中で出てきました。当時は理系が多かったのですが今は文理半々です。                                                 

質問者)

副操縦士になるにはどれくらいの飛行時間が必要で、何年ぐらいしたら機長になれるのですか。

黒野

JALの自社養成でいうと、まずカリフォルニア州のナパでの飛行訓練があり、単発機で9か月半の160時間、双発機で8か月の100時間で基礎課程修了です。その後、実用機過程が約2年かかるので、入社して4年でようやく副操縦士として乗務できるようになります。機長になるには3000時間必要で、約10年かかるのですが航空局の審査官による機長認定審査に合格しなければならないので訓練もかなり厳しいですね。  

薬師

自衛隊でも単発機T-7で100時間、双発機T-4で100時間という決まりがあります。JAL、ANAで一人前の副操縦士になる資格を得るには4年ほどかかります。副操縦士から機長になる試験を受ける資格を得るには3000時間、10年ぐらい要します。資格を得たからと言って操縦士や機長になれるわけではなく、さらに航空会社によって資格取得時間の規定が違います。

藤原

私の琉球エアーコミューター社では1年間で600時間のフライトタイムになるので、5年で3000時間を要したら機長昇格の試験を受ける資格が得られます。

薬師

一般的に操縦する機種にもよっても変わるものです。エアバスA320で早く機長資格取った方がいいとか、ボーイング737の方が海外に出やすいとか、エアバスA320 と737両方で機長資格を取るのが将来的に有利になるなど、考えはまちまちで、属する航空会社の方針・乗る機種にもよって機長になれる機会は違ってきます。                                                   

村松(弟)

私の機長昇格の実施試験時の担当試験官が、当時航空局にいらっしゃった薬師さんでした。その時は城北の先輩だと知りませんでしたが厳しい指摘に緊張した気憶があります(笑)。

司会)岡崎

みなさん、今日は本当に有難うございました。

【補足】

城北のクラブ登録正式名では「水泳部」ですが、「水球部」という呼称が長らく定着しているため、水泳部[水球部]という表記で統一しております。

 

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